日本子ども家庭福祉学会 -Japan Society of Child and Family Welfare-

サイト内検索:
リレー随想 ~会員および現場からの声 vol.13

リレー随想 ~会員および現場からの声 vol.13

大阪成蹊短期大学 原田 旬哉 現在、私は短期大学の教員をしています。そこで社会的...

大阪成蹊短期大学 原田 旬哉

現在、私は短期大学の教員をしています。そこで社会的養護や児童虐待について、虐げられている子どもの存在を伝える活動をしています。これらの状況にある子どもたちがいることを知ってもらうことでより良い環境へと変化できるのではないかと考えています。
私は19年間児童養護施設で仕事をしました。そこで虐待や遺棄、家庭崩壊や貧困などで、家庭で暮らせない473人の子どもと出会い、苦難や生い立ちに苦しむ姿を目の当たりにしてきました。そして、その中の3人の子どもが若くして逝きました。一人は病死、一人は事故死、そしてもう一人は自死でした。棺の中の子どもと対面して思うことは「ひとときでも幸せを感じることができたのだろうか」ということです。
これらの子どもたちと日々過ごしていくなかで、ある思いが私の中で大きくなってきました。それは「この状況にいる子どもたちを社会は知っているのだろうか」というものでした。そんな最中、2011年末にランドセルを児童養護施設に贈った「タイガーマスク運動」が世間で注目されました。それは私の勤める施設にも波及し、多くの贈り物が届きました。
その時思ったのは、本来このような社会的認知を向上させる活動は現場職員がすべきではないかということです。そして、それが果たせてないことに悔しさを覚えました。そこから私は「自分がすべきことはなにか」と自問自答しましたが、現場の状況は慢性的な人手不足と多くの課題を抱える子どもの対応に日々忙殺される現実がありました。到底、社会に認知してもらう活動などできる余裕はなかったのです。色々と悩みましたが、現場から出で活動することを決めたのです。
第一弾は映画「隣る人」の自主上映会でした。多くの人に観ていただくことができました。今後は社会的養護から大学等へ進学する子どもを社会で支える活動を考えていきたいと思っています。また、現場との繋がりも大切にし、現場職員と協働して自主研究会を毎月開催しています。
私は児童養護施設とそこで暮らす子どもたちに育てもらいました。これからは微力ながらも恩返しをしようと考えています。
子どもは世界の宝です。その子どもたちに明るい未来を残すことが私たちの役目だと思っています。

このページのトップへ