日本子ども家庭福祉学会 -Japan Society of Child and Family Welfare-

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リレー随想 ~会員および現場からの声 vol.4

リレー随想 ~会員および現場からの声 vol.4

浜松学院大学 高山 静子    最近、街中でおしゃまな格好をした幼児を見かけるこ...

浜松学院大学 高山 静子  

 最近、街中でおしゃまな格好をした幼児を見かけることが増えた。フリルのついたミニスカートにブーツ。テレビに登場するグループの真似だろう。子どもがテレビの真似をすることは昔からよくあることたが、それらの格好を見て浮かぶのはアメリカの性的虐待の問題。性をアピールする大人のような服を着た幼児は、性犯罪者の関心を引きそうだ。
 発表会が増えるこの時期、動画サイトで検索をかけると、人気アイドルグループの真似をする園児の姿が続々と出てくる。保護者が勝手にアップしている場合もあり、それ自体も問題であるが、もっと問題なのは教育機関である幼稚園や児童福祉施設である保育所が、そのような発表会をしていることである。園児に、貝型の胸当てをつけおへそを出して踊らせてよいのだろうか。幼児に「女性性」を意識させる保育内容は教育として不適切であろう。
 また1、2歳の子どもにキャラクターやキノコの格好をさせて躍らせる画像もある。舞台の上でキョトンとする子や不安で泣き出す子もいる。子どもに過剰な衣装を着せて見世物にすることは、子どもの人権を侵害し子どもの福祉に反する行為ではないだろうか。
 保育所では未満児の発表会を見直す園も増え、子どもの尊重という理念をオムツ交換や食事の援助等の行為として具体化している園も増え始めている。
 このような園や保育者による差異は、養成で保育の専門職としての価値と倫理を獲得させることで埋めることができるのではないか。
 日常的に目にするテレビ番組や雑誌、ネットの世界には人権侵害の映像と言葉があふれている。これから福祉や教育の世界へ進む学生たちもその世界で生きている。専門職の倫理を獲得する機会がなければ、学生も人権侵害を行う側になる可能性がある。
 新しい学生を迎える季節。保育者養成校の教員として子どもの命と尊厳を守り、自らも尊厳を持った保育者を育てたいものだ。

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